あらすじ

「最初は、みんな白だった。――この議場に入るまでは。」正義、理想、清廉。それらはすべて、この席に座るための『入場券』に過ぎない。気がつけば誰もが、自らの意志で黒衣(こくい)をまとう。 東州新聞社の4年目記者・有馬遼(28)の元に届いた、宛名のないUSBメモリ。中に入っていたのは、現・県議会議長である絶対的権力者、山下速夫(70)が主導する政策「ワンヘルス運動」の裏で行われていた、巨額の裏取引(談合)の証拠だった。利権を貪る手下「五人衆」、自分の保身しか頭にない県知事、国政の議員たちをも巻き込み、政治の世界は醜い泥仕合へともつれ込んでいく。 「悪い奴らをペンで退治する」――そう息巻いて取材を始めた遼だったが、山下の過去を調べるうちに、驚くべき『白き記憶』に辿り着く。かつて山下は、泥を被って地域の人々を救った英雄だったのだ。正義とは何か。悪とは何か。議会という巨大な利権構造に振り回されながら、白から黒へと染まり、そして情けなく散っていった大人たちの『生き様』を描く、重厚な社会派政治ミステリー。 ――これは、異世界で根回し無双を繰り広げる『黒衣の議長』が怪物になるまでの原点であり、夜の街で極上の一杯を差し出す『黒衣のバーテンダー』へと繋がっていく、始まりの物語。 【※本作はフィクションです】本作は純粋なフィクションであり、実在する特定の地域、特定の議会、特定の人物、団体、および実際の社会運動や理念等とは一切関係がありません。あらかじめご了承ください。

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小説を読もう2026/08/09
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