あらすじ

八年、幼馴染の鞣した革に値をつけ、売り先を開いてきたわたしが「もうお前には頼らねえ」と切られ、言われたとおり付け値の札を置いて手を引いたら——あの人の革は、町の雪駄に挿げられなくなりました。 縋りも詰りもいたしません。八年ぶんの札を棚へ揃えて置き、自分の試し革片の箱だけを抱えて出るだけ。同じ鞣しでも、どの部位をどこへ売るかを知らなければ、値はつかないのです。 やがて町の革問屋がわたしの目を買い、わたしは自分の名で試し革片を切るようになります。去年の半値になった革を抱えて「また値をつけてくれ」と戻ってきた幼なじみへ、同じ一句を静かにお返しするお話。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/08/08
  • 現在の作品「良い口が付いたから頼らねえ」と切られ、八年の目利きと売り先を取り上げられたので、付け値の札を置いて帰りました——お宅の革、去年の半値ですね