あらすじ
「君を愛するつもりはない」
没落寸前の実家を救うため、冷徹と名高いエヴァリントン公爵クロードと政略結婚をした伯爵令嬢のリリアーナ。
10年前に起きた事故で過去の記憶を失っている彼女は、氷のように冷たい夫との偽りの夫婦生活に不安を抱いていた。
しかし、冷酷な言葉とは裏腹に、彼は植物を愛する彼女のために豪華なガラスの温室を用意し、陰ながら彼女を守り抜こうとする。
さらに、彼から漂う「針葉樹と白檀の香り」は、リリアーナの失われた記憶の奥底を不思議と揺さぶって――。
やがてリリアーナは、書庫に隠された古い手記と「青い花」を見つける。
そこに記されていたのは、冷血公爵の仮面の裏に隠された、初恋の少女に対する狂おしいほどの贖罪と、重すぎる愛の執着だった。
過去の罪に縛られ、あえて彼女を遠ざけようとする不器用な公爵。
彼が愛しているのは過去の幻影なのか、それとも今の自分なのか。
すれ違う二人の想いが交差したとき、凍てついていた時間が動き出す。
不器用な二人が本当の夫婦になるまでの、切なくも甘い純愛ファンタジー。