あらすじ
世界に突如として現れた“ダンジョン”と魔素によって、人類の常識は一変した。
魔素へ適応した者は《覚醒者》となり、剣士、魔導師、聖騎士――さまざまな職業と力を得て、ダンジョンから溢れ出す魔物と戦っている。
そんな時代に覚醒した大学生・坂上陽向が授かった職業は――《足軽》。
能力値は低い。固有の攻撃技能もない。
誰もが「外れ職」と判断する、最低評価の職業だった。
しかし、寺社や古い建築を巡ることが好きだった陽向は、ある日訪れた古刹で、一人の武将の魂と出会う。
その名は――本多忠勝。
天下無双と謳われた武将との出会いをきっかけに、陽向の《足軽》には誰も知らなかった力があることが判明する。
それは、強大すぎるがゆえに普通の覚醒者では受け入れられない英霊武将たちと縁を結び、その力を現代へ呼び戻す力。
織田信長。
豊臣秀吉。
徳川家康。
上杉謙信。
山県昌景。
真田幸村――。
寺社や城跡、古戦場を巡るたび、歴史に名を残した武将たちとの新たな縁が生まれていく。
だが彼らは、陽向へ従う召喚獣ではない。
怒る。笑う。喧嘩する。命令を拒否する。
それぞれに過去と後悔を抱えた、一人の人間だった。
そして陽向自身もまた、彼らを従える「主」になる道を選ばない。
仲間と役割を分け、帰る道を作り、誰か一人へすべてを背負わせない。
最弱職と呼ばれた《足軽》は、やがて英霊と現代の覚醒者を結び、日本全土へ巨大な“陣”を築き始める。
その先で待っていたのは――神々による侵略と、数百年もの間「泰平」のために縛られ続けてきた一人の男。
これは最弱の足軽が天下を支配する物語ではない。
誰もが自分の道を選べるように、天下そのものを作り直していく物語である。