あらすじ

地方都市の繁華街から、少しだけ離れた場所。 酔客の笑い声も、ネオンの光も薄くなり始める通りに、一軒のシーシャ屋がある。 店の名前は、OMNIBUS。 そこにはヤクザも、警察も、詐欺師も、風俗嬢もやって来る。 人を救ってきた者も、人を騙してきた者も、自分を売って生きてきた者も、その扉をくぐれば等しく一人の客になる。 何者なのかは問われない。 何をしてきたのかも、煙を吸っている間だけは問われない。 客が選ぶのはフレーバー。 店が差し出すのは、一本のホース。 炭に火が入り、ボトルの水が音を立てれば、肩書きも、身分も、善悪さえも、白い煙の向こうへ薄れていく。 この店では、誰も裁かれない。 ただし、誰もが救われるとは限らない。 煙はいつか消える。 人間の抱えたものまでは、消してくれない。 これは一夜、OMNIBUSに乗り合わせた人間たちと、煙が消えたあとにも残ってしまった物語である。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/08/08
  • 現在の作品OMNIBUS SMOKE