あらすじ
8月9日、午後8時10分。
翌日の「野獣の日」を楽しみにしていた大学生・神谷悠真の耳に、突然、奇妙な高音が鳴り始める。
解析してみると、その周波数は――810Hz。
「810Hzなの出来スギィ!」
最初は誰もが笑っていた。
だが、音は止まらない。イヤホンを外しても、耳を塞いでも、眠ろうとしても、頭の奥で鳴り続ける。
そして奇妙なことに、まだ音を聞いていない人間まで、意味を知ったうえで淫夢語録を口にすると810Hzを聞くようになっていく。
8月10日午前8時10分。
有志による解析の末、無数の笑い声と語録に埋もれた、謎の声が発見される。
「8月10日、午後11時45分14秒。お迎えに参ります」
年に1度、最も淫夢語録が飛び交うはずだった日。
その日、淫夢厨たちは初めて語録を恐れた。
そして、午後11時45分14秒までのカウントダウンが始まる。
――810Hzの奥で、本当は誰が喋っているのかも知らないまま。