あらすじ
十六歳になれば、孤児院を出なければならない。
十五歳の少女レナにとって、スキル判定は将来の仕事だけでなく、その先を生きていけるかどうかを決める儀式だった。
《裁縫》でも《料理》でもいい。誰かに雇ってもらえる力が欲しい。
しかし、レナに与えられたのは、役立たずと笑われるスキル――《ゴブリン召喚》だった。
戦闘系スキルを得たことで王立軍学校へ入学したレナが呼び出したのは、武器すら持たない、ごく普通のゴブリン。
ただし、その中身は普通ではなかった。
見知らぬ世界で目を覚まし、自分がゴブリンになったことに困惑する元日本人の男。そして、自分を召喚した少女は、かつての姪によく似ていた。
言葉は通じない。身体は小さく、力も弱い。
それでも、彼には一つだけ、ほかの兵士にはない力があった。
戦場で命を落としても、レナが召喚すれば何度でも戻ってこられる。
役立たずの召喚士と、何度でも死ねるゴブリン。
軍学校で出会った二人は、やがて王国を揺るがす戦乱へと巻き込まれていく。
これは、帰る場所を持たない少女と、元の世界へ帰れないゴブリンが、死と再召喚を繰り返しながら戦場を生き延び、互いの居場所になっていく物語。