あらすじ
公爵邸で下級書記として働くミレヤには、誰にも言えない想い人がいる。半年前に仕事ぶりを認め、名前まで覚えてくれたエメリック公爵だ。けれど、平民の自分には手の届かない人だと、恋心を胸の奥へしまっていた。
そんなある日の夕暮れ、ミレヤは廊下で、床から三十センチほど浮いているおじさんと目が合う。
幽霊の名は御厨伊織。日本からこの世界へ転生した初日、横領現場を目撃して殺され、以来五年間、公爵邸の地縛霊になっているという。
「おじさんがキミと公爵様をうまくいかせる。だからキミは、ボクを殺した犯人を捕まえてよ!」
恋愛経験ゼロのカプ厨おじさんに押し切られ、ミレヤは公爵へ「幽霊から聞きました」と殺人事件を訴えることに。
しかし、犯人を追う間も、おじさんの余計な恋愛アシストは止まらない。しかも公爵にはおじさんの姿も声も届かないため、とうとうミレヤは憧れの人を前に「おじさん、うるさい! 黙って!」と怒鳴ってしまい――。
五年前の殺人事件の真相と、身分違いの恋の行方。そして、犯人を捕まえても成仏できないおじさんに残された、本当の未練とは。
気弱な下級書記と誠実な公爵を、カプ厨おじさんが勝手に推しまくる、幽霊付き身分差ラブコメディ。