あらすじ

「雨女は要らない。私は、晴れの聖女ルチアと結婚する」 建国祭の壇上で、婚約者ジュリアンから突然そう告げられたヴェロニカ。 彼女は七年間、風と雲を読み、雨の時刻と行き先を調整してきた。 けれど、彼女の仕事は、成功した日ほど何も起きない。 一方、ジュリアンが新たに選んだ聖女ルチアは、散った雲を一つに集め、瞬く間に空を晴らすことができる。 ヴェロニカは警告する。 今日は、雲を一つに集めてはいけない。 しかしジュリアンは聞く耳を持たず、ルチアに奇跡を披露させた。 歓声に包まれる青空。 その外で、一つに集められた巨大な雨雲は下町へ向かっていた。 このままでは家々が水に沈む。 麦畑へ落とせば、今度は作物が潰れる。 そしてヴェロニカたちが見つけた、雨を受け止められる唯一の場所は――。 「見ろ、この広場を」 そうジュリアンが誇った、建国祭の会場だった。 人々を逃がしたあと、ヴェロニカは彼の晴れ舞台の真上で雲を開く。 これは、目に見える奇跡だけを選んだ男が、七年間「何も起こさなかった」女の仕事を知るまでの話。

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小説を読もう2026/08/08
  • 現在の作品「何も起きなかった日は、仕事とは言わない」と婚約破棄された私の、最後の一日です