あらすじ

王都暦局で働く三級暦務官ノアは、「余計なことをするな」と上司に疎まれ、曜日も誕生日も存在しない辺境へ左遷されてしまう。 赴任した町では、人々は「昨日」も「明日」も曖昧なまま暮らしていた。 給料日はなく、契約期限もない。 子どもは自分の年齢を知らず、祭りも休日もなく、亡くなった人を見送る日さえ存在しない。 そんな町で、ノアは一人の少女から言われる。 「……私には、誕生日がないの」 剣も攻撃魔法も使えないノアの仕事は、人々の証言や古い記録を集め、失われた「日付」を世界へ刻み直すこと。 少女に初めての誕生日を。 職人たちに初めての給料日を。 町に初めての市場の日を。 そして、大切な人を送り出すための葬送の日を。 一日ずつ町へ「今日」を取り戻していくたび、人々の暮らしは少しずつ変わり始める。 しかし、その裏では王都を支配する中央暦院が、ある理由から全国の「日付」を管理し、人々の歴史そのものを書き換えていた。 やがてノアは、国家が隠し続けてきた大きな秘密と、「存在しない日」に消えた人々の真実へ辿り着く――。 これは、誰にも気づかれなかった地味な役人が、一年を取り戻し、人々の人生を取り戻していく物語。

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小説を読もう2026/08/08
  • 現在の作品王都暦局が廃止されたので、曜日のない辺境へ赴任した俺。誕生日も祭りもない町に日付を与えたら、止まっていた一年が動き始めた