あらすじ
学園祭前日、平凡な高校生・佐藤瑛斗と、軽音部の人気者・神崎奈々子は、偶然入り込んだ製薬会社の敷地内で謎の白い霧を吸い込んでしまう。
翌朝、瑛斗の「眼」と奈々子の「耳」は、人間の限界を超えてしまった。
瑛斗は、世界の動きを極端なスローモーションとして捉え、生体の熱や内部構造までも視認する。
奈々子は、街にあふれる電気や電磁波のノイズまで「音」として聴き取ってしまう。
しかし、それは便利な超能力などではなかった。
見えすぎる。聴こえすぎる。
情報を処理しきれなくなった脳は、能力を使うたびに焼き切れていく。
二人を救うのは、街の片隅にある小さな電気屋――嶋村惣一、通称「惣さん」。 彼は二人の異常な感覚を抑えるため、廃品と電子部品を組み合わせた奇妙な「補助輪」を作り始める。
だが、二人が知らないところで、あの白い霧を生み出した製薬会社もまた、彼らの異常を追っていた。
これは、壊れかけた感覚を抱えながら、それでも「普通の日常」を取り戻そうとする少年少女達の物語。