あらすじ
田中太郎には、少し変わった能力がある。
『興味を持った対象の情報を、カメラで撮影したかのように鮮明に記憶できる』という能力だ。
だが、この能力には極端な偏りがあった。
興味や目的に結びつかない情報は、必要なことであっても驚くほど頭に残らない。
雑学は一言一句、一瞬の光景は細部まで覚えているのに、宿題は忘れ、小テストでは赤点。
隣の席の白石紬だけは、そんな田中の長すぎる理屈を楽しそうに受け止める。
四時限目の国語の授業が終わった昼休み、紬からタコさんウインナーを渡された田中は――。
長すぎる言い訳と、隠しきれない嬉しさ。
そして、興味のないことは覚えられないはずの田中の記憶には、いつしか紬にまつわる何気ない出来事ばかりが増えていく。
窓際の席から始まる、少し変わった二人の、不器用で澄み切った学園日常ラブコメディ。