あらすじ
永禄六年――三河一向一揆が勃発した。そんな三河国のある山村にて、遠く西方の地より出来した者がいた。
彼は自らを「血吸いの鬼」と称し、村の者らへの庇護を要求。代わりに、死に怯えることのない肉体を与えることを約束する――。
時代は下り、ある因習により生じた人喰い鬼たちは、世代交代を経て自らを「夜噬鬼(やぜいき)」と呼ぶようになっていた。
そして令和現代においては、「ノクターリア(夜の支配者)」と名を変えている。
三河地方は豊川市の北側、新城市の南に位置する小さな町、桑守町。
そこでバイトをしながら画家になるという夢を抱き活動する若者、橘川奏真。彼は二十三歳の夏の夜、人間としての人生を終えることになる。
アートギャラリーに出店しても芳しくない結果に煩悶する日々。その日も画廊喫茶で上手くいかず臍を噛んでいた奏真。
しかし帰り道、突如として襲い来る凶刃に、理由を問う間もなく意識を闇に沈めていくことになる。理由もわからず激痛と熱に悶える彼を、ふと覗き込む美貌の女。
女が口を利く――「生きていたければ、私に噛みつけ」、と。
目を覚ましたとき、奏真は今際の際で見た女に体を温められていた。
女は自らを「雨宮白奈」と名乗り、そして奏真のファンの一人だと明かした。そして、それゆえに奏真を生かすべく、不死身の鬼たる「ノクターリア」に変えたのだと。
意図せず人食いの鬼に変えられた若者の苦悩を描く、現代ダークファンタジー。
※本作品は完全人力創作です
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