あらすじ
ライは、まともに剣も振れない駆け出し冒険者。
戦闘では役に立たず、冒険者パーティーに雇われても仕事は荷物持ち。
自分より遥かに強い冒険者たちの背中を、必死に追いかけるだけの日々を送っていた。
そんなライが、ダンジョンで想定外の魔物に襲われる。
仲間は倒れ、残されたライにも死が迫る。
そのとき、彼の前に現れたのは、銀髪に紅い瞳を持つ謎の少女だった。
少女は、死んだ剣士を指差して告げる。
「その記憶を喰いなさい」
ライには、力があった。
死者が遺した記憶――《レムナント》を喰らい、その知識と経験、身につけた技能を受け継ぐ力。
歴戦の剣士の記憶を喰えば、その剣技を。
名高き英雄の記憶を喰えば、その経験を。
ただし、受け継ぐのは力だけではない。
死者が愛したもの。
憎んだもの。
果たせなかった願い。
忘れられなかった後悔。
他人の人生までもが、ライの中へ流れ込んでくる。
それでも彼は、喰らったすべてを抱えながら前へ進む。
これは、最弱だった一人の荷物持ちが、幾人もの死者の記憶を背負い――やがて自らの名で最強へ至る物語。