あらすじ
「勇者アルトよ。貴様は今日をもって追放だ! 勇者のくせに剣も振らず、ガラクタばかり弄りおって!」
玉座の間で、国王は丸めた羊皮紙を投げつけた。
傍らに立つ元パーティーメンバーたちも、嘲笑を浮かべている。
「そうですわ! 魔法の修行もせず『モーターのコイルが~』などとブツブツ言って……気味が悪いですわ!」
「魔物が出ても『ちょっと待って、今キャタピラのグリスアップしてるから』じゃねぇんだよ! 俺たちがどれだけ苦労したか!」
聖女と戦士の罵声を浴びながら、俺――勇者アルトは、手元の図面から顔を上げた。
「……え? ああ、追放? 了解。じゃあこの『魔力駆動式超吸引モーター』の特許は俺が持っていくからな」
「勝手にしろこのポンコツ勇者が!」
こうして俺は、王都を追い出された。
だが、彼らは分かっていなかった。剣や魔法などという原始的な力で魔王を倒したところで、この世界の「ゴミ」は無くならないということを。
真の平和とは、圧倒的なテクノロジーによる「全自動清掃」によってのみもたらされるのだ!
数ヶ月後――辺境の荒野
「完成した……!」
俺は荒野にそびえ立つ、直径100メートルの円盤型巨大兵器を見上げた。
漆黒のボディ、底面に備えられた超高速回転ブラシ、そして魔王の城すら丸呑みする超弩級ダストボックス。
その名も、全自動お掃除ゴーレム『ルンバ・オメガ』。
「よし、まずはテスト稼働だ。ちょうどいいところに『ゴミ』が来たな」
『ピロリロリ~ン♪ ダストボックスが、一杯デス。ゴミを、捨てテ下サイ』