あらすじ
夫の双子の弟が結婚することになった。
新郎側の招待客は十人にも満たず、新婦側は百人以上。
盛大な式を挙げるのは好きにすればいい。
ただ、一つだけ分からない。
――どうして、その結婚式代を私が払うの?
自分たち夫婦は式すら挙げていない。それでもエレノアは「家族だから」と、自分で働いて貯めた金を差し出した。
義弟の妻リリアは、小柄で可愛らしい女性だった。
正直、少し羨ましい。
可愛い服は似合うし、泣けば誰かが守ってくれる。
エレノアは可愛い女性が嫌いではない。むしろ好きだ。
だから最初は、リリアの幸せも願っていた。
けれど、義実家へ渡した金がリリア夫妻の服や旅行に使われていると知り、エレノアは援助を打ち切る。
するとリリアは、エレノアの財産を勝手に調べ始めた。
「私が泣けば、みんな信じてくれる」
そう笑うリリアに、エレノアはようやく理解する。
私は可愛い女が嫌いなんじゃない。
――あなたが嫌いなのだ。
家族の財布でいることをやめた一人の女性と、他人の金を自分のものだと思い続けた義弟嫁。
これは、聖女でも完璧な淑女でもないエレノアが、自分のお金と人生を取り戻すまでの話。