あらすじ
世界最大の魔法大国アストラにある名門魔法学校フィールランド。
その学校には、フィールランド千年の歴史を塗り替える天才がいた。
彼女の名はポプリ・オレガノ。
錬金術を専攻する田舎出身の学生である。
魔法の名家出身の生徒たちを置いて首席となった彼女に、誰もが将来を期待していたが……。
「さぁ、ポプリくん。話してくれたまえ、卒業後の展望を」
「ひぃぃ! ひ、引きこもりますぅ!」
そう言って、ポプリは魔法の世界から姿を消した。
ポプリのせいで万年二位に成り下がった名家の娘リエラ・シナモン。
卒業後、国家機関である魔法省に就職したものの、上司と揉めて不本意な左遷を命じられてしまう。
左遷先は魔法省の中でもっとも価値が低い『魔法遺物調査部』。
通称『窓際部』だった。
元の部署に戻る方法を探すべく町を探索していたリエラは、偶然町外れに錬金術店を見つける。
今どきマイナーな錬金術店が珍しく、リエラが中に入ると……。
「い、いぃぃらっしゃぃませぇぇぇぇ……」
世にも恐ろしい声で接客する、かつてのライバル――錬金術師ポプリ・オレガノがそこにいた。
フィールランド卒業後、幼い頃からの夢のために錬金術店を開いていたポプリ。
本来、彼女ほどの腕なら国一番の有名店になってもおかしくないはずだが……。
その恐ろしいまでのコミュ障のせいでまともに接客ができず、店は潰れかけていた。
リエラが魔法遺物を探していることを知ったポプリは平然と言う。
「ないなら作っちゃえば良いんじゃない? 魔法遺物」
不当な左遷を受けた魔導師と、コミュニケーション能力の壊滅的な天才錬金術師。
二人は互いの目的のために手を組み、賢者の石を作るために『縁の糸』を集め始める。
※10万文字までは毎日更新を予定しています。