あらすじ
私は大学の正門前で、見知らぬ女性から突然平手打ちを受けた。
夫を誘惑した不倫相手だと、勘違いされたのだ。
言い争う私たちの周りには、たちまち大勢の学生が集まった。その様子を撮影した動画はSNSや大学の匿名掲示板に拡散され、私は大学中から「不倫女」「略奪女」と呼ばれるようになった。
大学独自の給付型奨学金は継続審査を保留され、大学院の学内推薦も見送られた。決まりかけていたインターンまで取り消され、どこへ行っても後ろ指をさされた。
その後、私はようやく真相を知った。
同じシェアハウスに住む音声配信者のルームメイトが、私の写真を無断で使い、配信で知り合った既婚男性と交際していたのだ。
証拠を手に問い詰めた私は、口論の末、彼女に階段から突き落とされた。
後頭部を強く打ちつけ、意識が暗闇に沈んだ――はずだった。
次に目を開けたとき、私は見知らぬ女性から平手打ちを受けた、あの日に戻っていた。
今度こそ、私の顔を盗んだ本当の不倫相手に、自分の口で名乗らせてみせる。