あらすじ

俺は春を愛している。 数学の二大巨頭の一人、カール・フリードリヒ・ガウスが、俺と同じ四月三十日に生まれたからだ。 悪石平、高校二年生。 数学をこよなく愛する俺は、ある「新しい数」を発見し、その研究論文が数学界で話題となったことで、海外の大学から推薦の話まで届いていた。 周囲からは天才と呼ばれる。 けれど俺自身は、数学さえあればそれでいいと思っていた。 そんな春の日。 新入生として体育館に入ってきた、一人の少女に目を奪われる。 彼女は白杖を持っていた。 ――諏訪之瀬宝。 生まれつき目が見えない少女だった。 ある日の放課後、図書館へ向かっていた俺は、白杖を落として困っている宝と出会う。 いつもの俺なら、きっと見て見ぬふりをしていた。 けれど、その日はなぜか彼女に声をかけた。 「図書館ってどこですか」 「俺も行くところだから、案内するよ」 それが、俺と宝の始まりだった。 宝は目で世界を見ることができない。 けれど、音を聞き、風を感じ、匂いを嗅ぎ、白杖から伝わる感触を頼りに、俺たちとは違う世界を生きている。 数学なら、どんな問題でも数式にしてしまえば答えを導ける。 けれど――恋だけは、そうはいかなかった。 天才数学少年・悪石平と、盲目の少女・諏訪之瀬宝。 二人が出会った春。 数学では解けない、たった一つの問題が始まる。 それは―― 「恋とは、いったい何なのか。」

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小説を読もう2026/08/08
  • 現在の作品ガウスは恋をする