あらすじ
母を亡くした伯爵令嬢リリアは、再婚した父の言いなりのまま、部屋も、母の形見も、婚約者までも義妹へ譲ってきた。
湿気の漂う屋根裏部屋で、義妹の侍女のように生きる毎日。「長女なんだから我慢しなさい」——そう言われ続け、いつしか自分の人生さえ、誰かに譲るものだと思い込んでいた。
そんなある夜、婚約を奪われた幼なじみのアルフレッドが屋根裏部屋を訪れる。
「君は何でも奪われても平気なんだな。」
答えられずに俯く私の手を、彼は強く握った。
「生きろよ。」
その一言が、止まっていた私の人生を動かし始める。
これは、誰かの後ろを歩くことしか知らなかった"羊"のような令嬢が、自分の足で幸せを掴みにいく物語。