あらすじ
大学一年の夏、榊湊のもとに一枚の葉書が届く。
『八月十二日、久瀬に来て。
今度こそ、わたしを連れて帰って。』
その文字は、八年前に行方不明になった妹・凪のものだった。
湊は母に黙って、山奥の故郷・久瀬村へ向かう。
しかし無人駅で彼を待っていたのは、去年亡くなったはずの祖父だった。
村人たちは誰も祖父の存在を不思議に思わない。
そして久瀬村には、奇妙な決まりがあった。
午後五時十七分には山を見てはいけない。
夜、外から名前を呼ばれても返事をしてはいけない。
帰ってきた死者に、死んだことを教えてはいけない。
妹の行方を追う湊は、幼なじみの真琴とともに、村に隠された秘密へ近づいていく。
誰が生きていて、誰が死んでいるのか。
誰の言葉を信じればいいのか。
死者が帰る村を舞台にした、ひと夏の青春ミステリー。