あらすじ
レヴァイン共和国連邦との長期戦争が続く帝国。
北方戦線から生還したリディア・ヴァルモント中尉は、帝国軍の中枢――中央軍本部への転属を命じられる。
響く軍靴。途切れることのない報告書。感情よりも命令が先に動く、静かで巨大な軍事機構。
配属先の作戦第一課でリディアを迎えたのは、若くして戦場全体を動かすクラウディア・フォン・アイゼンベルク少佐だった。
さらに、中央軍には帝国最強と恐れられる戦略機動師団長、ヴィクトリア・フォン・アイゼンベルク大佐をはじめ、それぞれ異なる傷と責務を抱えた女性士官たちが集められていた。
彼女たちは優秀だった。
あまりにも優秀であるがゆえに、帝国から必要とされ続けていた。
北方とは異なる沈黙。
視線だけで変わる空気。
記録から消えた名前。
リディアは軍務を重ねる中で、中央軍の美しく整えられた秩序の奥に、説明のつかない違和感が存在することを知っていく。
帝国は何を守ろうとしているのか。
そして、そのために何を失おうとしているのか。
これは、異常な戦場から生還した一人の中尉が、国家に消耗される女性士官たちと出会い、軍規と沈黙の中で人間性を選び取っていく物語。
愛と忠誠は、誰のためにあるのか。
静かな軍事GL『帝国の華』。