あらすじ
小夜啼鳥のワルツ
あらすじ
命を救う病院には、誰にも知られてはならない「過去」が集まる。
心に深い傷を抱えながら研修医となった松江鴎外は、国内有数の大学病院で医師としての第一歩を踏み出す。しかし、その病院には、元暗殺者、副医師長、死者の声を代弁する監察医、患者よりも組織を優先する院長、そして過去に自分をいじめた同級生など、一癖も二癖もある医師たちが集まっていた。
搬送される患者、不審死、隠蔽された医療事故、法医学が暴く真実、警察も踏み込めない巨大な闇。
「救う」とは何か。
「裁く」とは何か。
「生きる」とは何か。
それぞれが抱える罪、後悔、秘密が交差するとき、一つの事件が病院全体を揺るがしていく。
これは、命の最前線で踊る者たちの、静かで残酷なワルツ。
---
登場人物
松江 鴎外(マツエ オウガイ)
研修医/主人公
壮絶な過去と数々の心身の問題を抱えながら医師を目指した青年。患者を救いたいという思いは誰よりも強いが、自身もまた救われるべき存在である。
---
石動 尚弥(イスルギ ナオヤ)
副医師長・外科医
元裏社会の暗殺者。「傷をつけない殺人鬼」と恐れられた過去を持つ。命を奪う技術と救う技術を同じ知識として扱う冷徹な天才医師。
---
高峰 治(タカミネ ヲサム)
精神科医
無表情で淡々とした精神科医。家庭崩壊という深い傷を抱えながら、患者の心と向き合い続けている。
---
高峰 雫(タカミネ シヅク)
麻酔科医・監察医
アルビノによる障害を抱える医師。死を観察する監察医から臨床へ転向し、「壊れる前」と「壊れた後」の両方に向き合う。
---
野口 啓介(ノグチ ケヰスケ)
整形外科医
寡黙で無愛想な整形外科医。口は悪いが腕は一流。骨の異常を瞬時に見抜く観察眼を持つ。
---
天野 俊二(アマノ シュンジ)
救急・集中治療医
異常なニコチン依存で有名な救急医。自分の健康には無頓着だが、患者だけは決して見捨てない。
---
山中 一雄(ヤマナカ カズオ)
院長
病院を率いる伝説的脳神経外科医。冷静な判断力と卓越した経営手腕で病院を支える絶対的存在。
---
夢野 クミン(ユメノ クミン)
監察医・アイドル
「死者の声を代弁する」ことを使命とする監察医。人気アイドルとしても活動し、生者と死者の双方に寄り添う。
---
高木 伸弥(タカギ シンヤ)
整形外科医
松江の中学時代のいじめ加害者。過去を悔いながら医師となり、償いの方法を探し続けている。
---
楠木 静那(クスノキ シヅナ)
救急医
問題児だった過去を持つ救急医。「患者は患者」という信念のもと、相手の経歴に関係なく命を救う。
---
杉田 洪庵(スギタ コウアン)
病理・緩和医療医
皮肉屋で飄々とした医師。「人間がどう壊れるか」を観察し続けながら、患者の苦痛だけは決して放置しない。
---
緒方 兼寛(オガタ カネヒロ)
集中治療医・法医学医
救命と法医学の両方に携わる医師。助けられなかった命への執着から、生死の境界線に立ち続ける。
---
上杉 信司(ウエスギ シンジ)
警視庁広域捜査課・警部補
数々の難事件を担当してきたベテラン刑事。不審死事件を通じて病院と関わり、高峰雫と独特の信頼関係を築いている。