あらすじ
「地味なカボチャは、公爵夫人という煌びやかな馬車には乗れませんのよ?」
虚栄渦巻く王宮の夜会で、婚約者とその浮気相手から手酷い侮辱とともに婚約破棄を突きつけられたエミリア。 「王命すら揉み消せる」と傲慢に笑う公爵家の馬鹿息子に対し、エミリアは気弱な令嬢の仮面を被ったまま静かに一礼して立ち去った。
だって、わざわざ手を下す必要なんてない。 エミリアの実家は、国を裏から支配する国家最高機密の諜報組織『漆黒の梟』。
実家の情報部隊が『防壁』を解除した瞬間、公爵家の隠し事がすべて社交界に垂れ流され、彼らの足元は音を立てて崩壊していく。
数週間後、元婚約者たちは、アポ無しでエミリアの元へと怒鳴り込んできたが――待っていたのは、公爵から「伯爵家」へ格下げ処分を喰らった地べたを這いずり涙と鼻水で命乞いをする父親(元公爵)の姿と、裏のボスであるエミリアの父・兄からの、胃がもたれるほどのエミリアへの猛烈な溺愛だった。
「あの愚か者たちの破滅を見ながら飲む紅茶は、格別に美味しいですわ」
ドロドロに没落していく人間模様と、冷徹な令嬢のスカッとする1話完結の短編です。