あらすじ
目が覚めると、そこは冷たい石造りの玉座の間。
突然「ダンジョンマスター」に選ばれてしまった青年・レンに与えられたのは、強力なチート能力ではなく、何が出るか分からない怪しげな『万物ガチャ』の権能だけだった。
最強の魔王やドラゴンを従えて無双する他のマスターたちを横目に、レンが初めて引き当てたのは、戦闘力Eランクの怯える奴隷コボルト。
「――安心しろ。ここでは奴隷とか気にしなくていいから」
攻撃魔法は使えない。けれど、ハーブを見つける鼻はある。
頑丈な鎧はない。けれど、泥を掘り進める手はある。
戦わずに、生きるために。
レンは一見使い道のなさそうな配下たちの「小さな個性」を極限まで引き出し、過酷な弱肉強食の世界に『誰もが温かく暮らせる開拓村』を少しずつ築いていく。
しかし、そんな平穏を壊すように、牙を剥く他のマスターたちが領域を侵犯し始めて――。
チートは一切不要。
当たり前のことを徹底し、ハズレ配下の個性を組み合わせ、泥臭く、けれど最高に優しい楽園を切り拓く、一歩ずつの開拓ファンタジー。