あらすじ

崩壊する帰還門を前に、十四人の遠征隊は一人を奈落へ残す投票を行った。 読み上げられた十三票すべてに書かれていたのは、境界術師リディアの名前だった。 だが、彼女は自分の名前を書いていない。 「私は志願していません。死にたくない!」 そう叫ぶリディアを、婚約者エドガーは背後から拘束する。 聖女マリエルは彼女の腰から帰還用の脱出石を奪い、王太子と仲間たちは地上へ逃げ帰った。 奈落へ捨てられたリディアは、地上で「笑顔で自らを犠牲にした献身の聖女」として発表される。 婚約者は悲劇の騎士として称賛され、石を奪ったマリエルはリディアの遺志を継いだ聖女として崇められていた。 しかし、リディアは生きている。 奈落で出会った少女フィアと、鎖につながれた角人族の男ラウル。 そして地下の記憶庫に残されていた、同意なく置き去りにされながら「自発的な英雄」へ書き換えられた二十七人の記録。 使えるはずだった帰還装置は、事故の前から中枢部品を抜かれていた。 十三票のうち一票には、投じた人間が存在しない。 リディアの本物の票は、開票前に抜き取られていた。 「私は笑って死んでなんかいない」 リディアは境界術で地下と地上をつなぎ、自分の空の墓が建つ王都へ生還する。 婚約者、偽りの聖女、王太子、そして歴史から被害者の声を消してきた王家。 これは、都合のよい美談にされた女が、自らの言葉と証拠で英雄譚を覆し、二度と誰も生贄にしない道を作る物語。 全60話、完結まで執筆済みです。

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小説を読もう2026/07/15
  • 現在の作品裏切りの十三票で奈落へ捨てられた境界術師ですが、私は笑って死んだ聖女になんてなりません〜元婚約者と王太子が私を犠牲に創った英雄譚を、生還して覆します〜