あらすじ
『入れ替わり』から始まる、不器用な二人の青春共同戦線。
保健室の西日、目の前にいる「自分」の絶望した顔、そして喉から響く見知らぬ声。最悪の相性だと思っていた「苦手なあの人」と中身が入れ替わってしまった日から、二人の奇妙な二重生活が幕を開けます。
お互いの尊厳を守るため、そして元の身体を取り戻すために、二人はいくつものハードルを乗り越えていくことになります。
「完璧な演技」を求められる日常
お互いの口調や仕草、交友関係、さらには部活動のクセまで。付け焼き刃の「フリ」は、いつ周囲に露見してもおかしくない綱渡りの毎日です。
知らなかった相手の「リアル」
「なんか苦手」と思っていた相手の、家族に見せる顔、一人で抱えていた悩み、そして意外な優しさ。相手の皮を被ることで、嫌でもその内面に触れることになります。
縮まる距離と、変わっていく世界
誰にも言えない秘密を共有する唯一の「相棒」となったとき、二人の関係は「苦手な奴」から、世界で誰よりも自分を理解してくれる存在へと変化していきます。
この物語は、単に身体が元に戻る方法を探すだけの物語ではありません。相手の目線を通して自分を見つめ直し、殻を破って「本当の自分」を見つけるための、少し青くて、とても愛おしい青春の軌跡です。