あらすじ
公爵夫人であるレティシアは政略結婚の末、夫とは一度も夫婦として結ばれることなく精神的に孤独な日々を送っていた。愛とは何なのかを知りたい――その一心で、正体を隠し、一夜限りと決めた火遊びに身を委ねる。相手は年下の青年リンド。優しく誠実な彼との関係は、一夜で終わるはずだった。しかし互いに惹かれ合い、秘密の逢瀬は一年にも及んでしまう。
だが、この関係に未来はない。レティシアはアタッシュケースいっぱいの札束を手切れ金として差し出し、突然別れを告げる。必死に引き留めるリンドは、「身体だけでもいい」「都合のいい相手で構わない」と、自分を捨てないでほしいと懇願する。それでも彼女は本心を隠し、「飽きただけ」と嘘をついて去っていく。
眠りについたレティシアは、リンドと出会った夜を夢に見る。神を信じないという共通点に思わず笑い合い、不器用なやり取りを重ね、誰とも眠れなかったはずの自分が、彼の子守唄だけは心地よく感じていたことを思い出す。終わりが決まっている関係だからこそ、決して深く愛してはいけないと自分に言い聞かせながら、それでも少しずつ心は奪われていった。
しかし、レティシアが別れを選んだ理由は、決して愛が冷めたからではなかった。年下の彼には未来があり、自分と共にいることでその人生を縛りたくなかったのだ。
別れを選んだ公爵夫人と、彼女を諦めきれない青年。
レティシアが夫と政略結婚するのを決めたのは、初めて出会った日に、夫になる人とその家のメイドがとても仲睦まじく遊んでいたのを見て、この二人の関係を守ってあげたいと思ったのがきっかけだった。
政略結婚を提案し、大人になり結婚する。
公爵として尊敬していて人としては愛しているが、恋愛相手としてはレティシア自身はみていない。
レティシアに渡されたアタッシュケースを持って、公爵家にまでやって来たリンド。
公爵と一緒にいるリンドを見て、私が全部悪い。
関係は絶ったから彼を罰さないでと頼むと、罰として俺の執事見習いとして働けという公爵。
馬鹿なこと言うなと怒るレティシアだったが、レティシアの少しでも近くにいたいリンドはそれを了承する。
真面目に働くリンドを見て、さらに好きになっていくレティシア。
最終的にレティシアは夫と離婚し、実家の公爵家にかえる。
リンドは実は侯爵家の三男坊で、身分的にも申し分なく公爵家に婿入りして幸せに暮らす。