あらすじ
背番号一を失うことが怖い。
仲間に失望されることが怖い。
けれど晴斗が何より恐れているのは、ずっと自分を信じてくれた大地に「お前では勝てない」と思われることだった。
努力を重ねてエースになったものの、自分の才能に自信を持てない投手・晴斗。
恵まれた体格と冷静な判断力を持ち、晴斗の球を誰よりも理解している正捕手・大地。
晴斗にとって、大地のミットはどんな球でも受け止めてくれる唯一の居場所。
一方の大地は、晴斗が自分を頼り、自分のサインだけを見て、自分のミットだけを求めることに、ひそかな幸福を感じていた。
「俺だけはお前を見限らない」
それは晴斗を支える優しい言葉であり、同時に逃げ道を奪う言葉でもあった。
甲子園を目指す最後の夏。
勝利を求めるほど、二人の信頼は深まっていく。
けれど、その感情はいつしか、ただのバッテリーという言葉では説明できないものへ変わり始める。
劣等感を隠すエース受け×穏やかに囲い込む執着捕手攻め。
互いが互いの救いであり、弱点でもある二人の、痛くて眩しい青春物語。