あらすじ
空は黒いケーブルに覆われ、電圧の高さが階級を決める垂直都市《ニュー・バベル》。
下層階で慎ましく生きていた少女アイリスは、失踪した姉の身代わりとして、若き皇帝・雷電卿レオンハルトに捧げられる。
「お前は今日から、私の渇きを潤すためだけに存在する回路だ」
蓄積された膨大な電力に身を焼き、孤独に狂うレオンハルト。彼に繋がれたアイリスは、ただの「部品」として扱われながらも、その奥底に眠る痛みに触れてしまう。
禁じられた《仏・共鳴》――。
彼女の指先から放たれる純白の光が、暴君の嵐を静め、帝国の残酷な計算を狂わせてゆく。
これは、光速で走る絶望の中で、二人の魂が火花を散らして共鳴する、愛と再生の物語。