あらすじ

1523年、ドイツ。活版印刷の工房でマルティン・ルターと共に紙片を刷り上げる「私」は、インクの煤の匂いに、三十年前のフィレンツェで燃え上がった恐ろしい炎を思い出していた。 ルネサンスの陽光が降り注ぐ黄金時代。画家サンドロ・ボッティチェリの工房は、神の恩寵たる「美」の喜びに満ちていた。しかし、ドミニコ会修道士サヴォナローラの峻烈な説教が、街の空気を一変させる。 「虚栄を捨てよ」という熱狂は、大衆を狂乱させ、やがてボッティチェリ自身に自らの傑作を炎へと投げ込ませることになる。 絶対的な「善」は、「美」を殺さなければならないのか。 権力者の虚栄と大衆の残酷な熱狂の渦中で、自らの魂に対してどこまでも誠実に生きようとした男たちの物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/14
  • 現在の作品神秘の降誕