あらすじ
あの日、幼馴染を失ってから、拓也の左手首は、ずっと熱を持ったままだった。決定的な場面になると、体が勝手に誰かを探してしまう。シュートを打てない。責任を引き受けられない。中学最後の夏、3on3の大会。かつて事故のあった日、同じ大会に出ていた男・健が、拓也の前に立ちはだかる。「エゴイストが勝つんだよ」。健の言葉が、拓也の逃げ癖を暴いていく。亮、翔、美咲——それぞれの傷を抱えた仲間たちとぶつかり合いながら、拓也は少しずつ、自分の弱さに向き合っていく。揃わない鼓動のまま、それでも同じコートに立つ。逃げ続けた少年が、たった一投に懸けるまでの、静かな青春の物語。