あらすじ

海沿いの町はずれ、バス停から急な坂を十五分ほど登った名もない小さな丘の上の公園に、一つの古びた黄色い郵便ポストが静かに立っている。遊具とベンチが二つあるだけの平凡な場所だが、そこからの海と水平線の眺めは格別だ。 そのポストは郵便局のものではなく、錆びを丁寧に塗り直された黄色い姿をしている。投函口の上には小さな木の板がかけられ、こう記されている。 ①このポストは郵便局のポストではありません。 ②もう会えない人へ、手紙を書いてください。 ③ポストの使用は一人一回限りです。 集荷はなく、管理者も不明。誰がいつから置いたのかもわからないまま、何十年も桜の古木の下でそこにあり続け、地元の人々の間で「あの丘のポスト」と静かに語り継がれてきた。亡くなった大切な人へ、想いを届けるためのポストとして。 この物語は、そんな特別な黄色いポストを訪れたさまざまな人々の、それぞれの想いと別れと再生の物語である。

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小説を読もう2026/07/14
  • 現在の作品あの丘の黄色いポスト