あらすじ
ヤクザのせがれ・八雲(やくも)あらしは融通が利かないクソな世界と向き合うことを諦めていた。
……安全地帯から匿名で人を攻撃し、多数の意見に流され思考停止のまま強く思い込む――それで他人が傷ついていることも知らずに……。
そんな奴ばっかりだ。
だから、曇りレンズのメガネをかけて、世界から目を背けたのだ。
希望のない諦めの日々を過ごしていた八雲の前に。
ある日、転入生・片桐(かたぎり)らんが現れる。
ふとした瞬間に見てしまった彼女の顔には、大きな薔薇のタトゥーが入っていた。
「……綺麗だ」と一目惚れした八雲は、メガネを握り潰し、一度諦めた世界と向き合うことを決意した。
彼が見たのは顔面タトゥーへの強い偏見だ。
「タトゥーが入っているから」というだけで片桐の人間性まで否定されていた。
転校を繰り返してきた片桐は、クラスの輪に馴染んだことがなかった。
今回も同じだろう……そう諦めていたが……
八雲が片桐の手を取った。
――彼女のため『顔面タトゥーでも幸せになれる』学校生活を作る。
そう約束した。
八雲あらしの奮闘が始まった。