あらすじ
その求人には、二つの条件があった。
——口が堅いこと。
——手際がいいこと。
仕事内容は、侯爵令嬢の身の回りの世話。
住み込みで、給与は相場よりかなり高い。
……あまりにも怪しい。
それが、エマの第一印象だった。
けれど、実際に働き始めたエマが知った秘密は、想像していたものとは少し違っていた。
社交界では完璧な令嬢として名高い、次期侯爵アデライン・グランヴェール。
その真の姿は——
湯浴みが大嫌い。
着替えも面倒で部屋は散らかし放題。
そう、完璧な侯爵令嬢は、自室では立派な風呂キャンセル令嬢…風呂キャン令嬢だった。
そんなアデラインに呆れながらも世話を焼くエマは、やがて彼女がただの面倒くさがりではないことに気づいていく。
これは社交界では完璧な侯爵令嬢と、その真の姿を知ってしまった侍女のお話です。