あらすじ
天帝の娘・織姫の指先から紡ぎ出される光の衣は、天界一美しかった。 しかし、牛飼いの彦星との恋に現を抜かした彼女へ、父である天帝は無慈悲な裁きを下す。
それは単に、二人を天の川の東と西へ引き離すというだけではない。
織姫から『人間の美しい姿』と『布を編む指先』を完全に奪い、四つん這いで草を食むだけの醜い獣――『白いヤギ』へと貶める、残酷な罰だった。
言語を失い、分厚くごわついた体毛に覆われ、地面を這いつくばることしかできない獣。
冷たい風の吹く川のほとりで、彼女は遠く離れた対岸の恋人を見つめる。彼もまた貧しい身なりで、吹き晒しの風の中で凍えているのがわかった。
愛する人を温めてあげる布一枚、今の自分には織ることができない。 「なぜ、私には手がないのだろうか」
とめどなく涙を流す白ヤギの織姫に、ついに年に一度の星まつり(七夕)の夜が訪れる。
天界の神々すら見放した絶望の底で、何も持たない「ケモノの織姫」が辿り着いた、ただ一つの答えとは。
――七夕の神話の裏側に隠された、あまりにも不格好で、ひどく泥臭い純愛の物語。
真白透夜さんの自主企画『⭐️しろやぎ星まつりコンテスト』に参加しています。
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