あらすじ
春樹は由緒正しい陰陽師の家系に生まれながらも、何一つとして陰陽師らしい術を使うことができなかった。
初めは期待していた周囲も少しずつ離れていき、もはや誰も彼に期待するものはいなくなった。
春樹は周りからは出来損ないと見下される日々に耐えかねて、いよいよ家を出て一般人として生きることを決意する。
父にそれを伝えようとしたある日、突然の火災に巻き込まれ、自分を庇った父は命を落としてしまう。
建物が崩壊する直前、春樹は父から「お前にしかできないのだ」と、ある任務を託される。
それは、封印されている大妖怪を滅すること。
半信半疑のまま、亡き父の遺言を確かめるため、地図に示された封印の地へと向かう。
しかし、それは罠であった。
妖狐を完全に滅するには、妖狐を一旦人間の体へと移し、その憑代となった人間ごと滅する必要がある。
憑代の条件は、大妖怪と縁があり、かつ、術が使えない者。
春樹は、妖狐を滅するための生贄として遣わされたのだ。
春樹は自分の無力さと、その運命を恨む。
死が目の前に迫る中、大妖怪はある契約を提案する。だがそれは、陰陽師、ひいては人類にとっての叛逆である。
しかし春樹は、契約することに微塵も躊躇いはなかった。
大妖怪の「妖狐」と契約した春樹は、何とか窮地を切り抜ける。そして、衝撃の事実を知ることになる。
自分を殺そうとした真の犯人の正体、それは……
銀髪の少女を連れて歩く陰陽師の噂は、瞬く間に妖たち、そして陰陽師たちに知れ渡ることになる。
果たして春樹は、自分の運命にどう抗っていくのか。
そして、妖狐の封印を解いたとき、一体何が起こるのか。
無才の陰陽師と狐少女の冒険が、今始まる。