あらすじ
エリイは、次元の外――神々の世界の、見習い神。太陽系ひとつを「画用紙」みたいに手渡され、そこに住む人々を幸福に“導く”のが、与えられた課題だった。
ただし、掟がある。神話を超える奇跡は、反則。人の心を書き換えるのも、反則。“導く”のであって、“造り替える”のではない。破れば減点。積もり積もれば――外次元、行き。
そんな彼女が、人類最後の決戦のど真ん中に、事故で落下する。倒すつもりのなかった魔王を倒し、割るつもりのなかった惑星を割り、慌てて“なかったこと”にして――気づけば、数千の兵士に、「女神様」として、祭り上げられていた。
優等生の幼馴染・ラオは、思念の彼方から呆れ果て、ついに匙を投げる。「もう、女神様で、乗り切れ」。だが女神様の演技は大の苦手。さらに、いちばん最初に生まれてしまった“やりすぎる”分身・虹のエリイまで現れて、事態は加速する。大人化。時計じかけのオレンジ。空から降る、カーニバルの隕石。そして――泡。
世界を救うたびに、減点される。見習い神さまの、賑やかで、間の抜けた受難コメディ、開幕。