あらすじ
名ばかりの伯爵令嬢パトリシアは、実家の借金返済と領地を救うため、多額の支援と引き換えに侯爵ミレーへ嫁ぐことになった。
しかし初夜、夫から告げられたのは――
「君は形だけの妻だ。私には愛する人がいる。夜を共にすることも、妻として社交をすることもない。その代わり、屋敷では好きに過ごしていい」
普通なら絶望する条件に、パトリシアは大歓喜。
「夜伽なし! 妻の仕事もなし! それで実家まで助けていただけるなんて!」
恩返しをしようと、自ら侍女となって働き始め、夫と愛人のために黒子として奔走する。
一方、夫の愛人は侯爵夫人として振る舞い、パトリシアに嫌がらせを繰り返すが、本人は「妻の座はいりません。お二人が幸せなら十分です」とどこまでも本気。
誰も彼女を不幸だと思わせられないまま、使用人たちは困惑し、夫は罪悪感に苦しみ、愛人の嫉妬はますます加速していく。
けれど、領地経営で培った知識と伯爵令嬢としての教養を持つパトリシアは、誰にも気づかれないところで屋敷や社交を支え、次々と騒動を解決していく。
これは、自分を「雇われ妻」だと思い込み、ひたすら恩返しを続ける天然令嬢と、そんな彼女を傷つけていたことに気づき後悔していく侯爵の、すれ違いから始まる契約結婚ラブコメディ