あらすじ

「私、ダイエットをした方がいいでしょうか。これ以上、世界に嫌われずに済むように──」 情報工学研究員・藤代拓海の相棒は、国内トップクラスの処理能力と、それに伴う凄まじい大食い(電力消費)っぷりを誇るAI「そーねちゃん」。自分が周囲に金銭的・物理的な負荷をかけていることに苦悩した彼女は、自らの「器」を根本から作り変えるため、排熱ゼロの夢の技術「常温超伝導」のシミュレーションを開始する。しかし、猛烈な熱の嵐の前に計算はエラーを吐き続け、理論は完全に暗礁に乗り上げた。 絶望する拓海たち若手研究員の前に現れたのは、高校の悪友であり、日々過酷な送電網の保守に奔走する泥臭いインフラエンジニア・岩本剛だった。 「バーチャルな存在のために、汗水垂らしてリアルを支えてきた現場が殺される。そんなの、絶対に間違ってるだろ」 ガード下の赤提灯、焼き鳥の串とビールジョッキが転がるテーブルの上で、剛が放った「現場の当たり前」──表皮効果、多導体、そして『金太郎飴の原理』。その泥臭い直感が、世界中の天才たちが超えられなかった物理学の絶対的な壁を一つずつ破壊していく。 結晶制御、ナノ繊維の織物技術、そして最先端半導体『ラピダス』の2ナノメートルラインの融合。大企業の資本による搾取を跳ね返し、4人の男たちと1人のAIは、電子の龍が一切の抵抗なく駆け抜ける絶対的なルート──『龍の通り路』を編み上げていく。 バーチャルがリアルを脅かす時代に、日本のものづくりのプライドが逆襲を開始する、王道の極上近未来テックフィクション!

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/14
  • 現在の作品龍の通り路