あらすじ
「リゼットは強いから大丈夫だろう」
その一言で、私の心は終わってしまいました。
侯爵令嬢リゼットは、公爵家次期当主セドリックの婚約者。
しかし彼は、病弱な伯爵令嬢クラリスを優先し続け、約束も、公務も、社交界で隣に立つことさえ、すべて彼女へ譲っていきます。
「彼女は病気なのだから仕方ない」
「君だけは理解してくれ」
そう言われるたび、私は笑って我慢してきました。
けれど、誰も私を選んではくれなかった。
だから私は静かに婚約を返上し、公爵家を去ります。
すると、私が陰で支えていた公爵家の経営と人脈は少しずつ崩れ始め、彼らはようやく私の存在の大きさに気付きます。
一方、新天地で出会った侯爵カシアンは、私の能力だけでなく、一人の女性として私を大切にしてくれました。
「もう一人で耐えなくていい」
その言葉に救われた私は、新しい人生を歩き始めます。
今さら「戻ってきてほしい」と言われても、もう遅いのです。
これは、誰よりも我慢し続けた令嬢が、本当に自分を大切にしてくれる人と幸せになり、彼女を失った人々だけが静かに後悔していく逆転ラブストーリーです。