あらすじ

『勇者ではなく、測量士』本編より、およそ四十年前。 アルセリア王国の東領は、戦によって奪われたのではなかった。 飢饉と王国の救援の遅れから生まれた東領保全評議会は、薬草地を守り、道を整え、人々を救った。だがその統治はやがて、暮らしを台帳の欄へ分け、古くから住む者たちの家や道を「未登録」として消していく。 東領を奪回するため、若き王アルベリクは王国軍を率いて東へ向かう。しかし、王命も歴戦の将の剣も、評議会が支配する道を開くことはできなかった。 その頃、家を焼かれた者たちは、灰色の布を道標に夜を歩いていた。 後に「灰家衆」と呼ばれる者たちである。 王国軍と灰家衆は、互いを信じないまま、一晩だけ同じ道を進む。 取り残された住民を逃がし、評議会本部へたどり着くために。 けれど、評議会にもまた、かつて救おうとした者たちがいた。 正義と悪では分けられない大義、制度、借り、記録、そして必要。 アルベリクはいかにして白冠王となったのか。 灰家衆はなぜ生まれ、王国は何を取り戻し、何を取りこぼしたのか。 これは、後世に「旧領奪回戦」と呼ばれることになる一夜の顛末を紐解いていく物語。

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小説を読もう2026/07/13
  • 現在の作品白冠王国旧領奪回戦記