あらすじ
第六川筋を行き来する平底船・赤鱗丸で、夜の事故が起きた。
船は沈まなかった。
だが、一人の竿持ちが濁流へ落ち、戻らなかった。
積荷は濡れ、魚油壺は割れ、船頭ガルボは夜明け前に逃げた。
合図笛見習いのナリアは、事故の原因を自分の失敗だと責められる。
船頭は「見習いが荷寄せの笛と帆布を落とす笛を間違えた」と言い残した。
だが、ナリアは知っていた。
本当に間違っていたのは、船頭が差し替えた合図板だった。
帆布を落とす笛は、低く三つ。
それなのに、赤鱗丸の板には、荷を左へ寄せる笛に似た危険な節が書かれていた。
見習い一人に責任を押しつけ、荷の積みすぎと危険な合図板を隠すために。
船頭は裁かれない。
逃げた者は、悪人のまま別の川筋へ行く。
落ちた竿持ちは戻らない。
それでも、ナリアは合図小屋で古い板を調べ続ける。
命に関わる合図を船ごとに変えさせないために。
笛、旗、尾打ち、復唱をそろえるために。
見習い一人へ責任を押しつけさせないために。
逃げた船頭を捕まえる話ではない。
もう戻らない人を取り返す話でもない。
これは、リザードマン文化圏の川筋で、悪い噂を正しい手順へ変えていく、合図笛見習いナリアの話。
きれいにではなく。
正しく。
低く、三つ。
帆布を落とせ。
本作は『第十六個体観測録』関連作品です。
本編:『第十六個体観測録』
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本作は、作者が世界観設定、キャラクター設定、勢力構造、物語の方向性を作成し、それらに基づく本文案の整理・推敲補助にAIを使用しています。AI出力をそのまま投稿するものではなく、作者が内容確認、設定整合性の確認、加筆修正、投稿判断を行っています。