あらすじ
前世で愛してやまなかったダークファンタジーRPG『ルシフェル・サーガ』。
その世界へ転生した主人公が目を覚ました先は――物語の終盤、主人公たちの前に立ちはだかる最凶の悪役貴族。
レオンハルト・ヴァン・ナイトメア。
世界を滅ぼしかねない闇の力を持ち、数多くの悲劇を引き起こし、最後には勇者によって討たれる運命にある存在だった。
ゲームを知るレオンハルトは理解していた。
ナイトメア家は、世界を救うために必要な「最後の闇」。
主人公が聖剣を手にするには、乗り越えるべき絶望が必要なのだ。
ならば、自分がその役目を果たせばいい。
主人公たちの前に立ちはだかり、憎まれ、恐れられ、最後には無様に敗北する。
それこそが世界を救う唯一の道。
「俺は英雄になるつもりなんてない。俺は最後に倒される、最高の悪役になる」
そう決意したレオンハルトは、自ら破滅への道を歩み始める。
……しかし。
運命は、彼の思い通りには進まなかった。
民を救えば「冷酷な悪魔ではなく、孤高の英雄」と呼ばれ。
陰謀を潰せば「帝国を影から守る賢王」と称えられ。
仲間を守れば「誰よりも優しい主君」と慕われる。
本人は世界のために悪役を演じているだけなのに、周囲からは「全てを背負う救世主」と誤解されていく。
さらに、彼のもとには本来なら敵対するはずだった者たちが集まっていく。
呪われた暗殺者エルザ。
才能を認められなかった錬金術師イリス。
神託に導かれた聖女リリアーナ。
失われた古代魔法を継ぐ魔法使いセレスティア。
彼女たちは気づいてしまう。
誰よりも悪役を演じながら。
誰よりも世界のために傷ついている少年の本当の姿に。
変わり始めた世界は、ゲームのシナリオから少しずつ外れていく。
「違う。俺はお前たちの敵だ」
「いいえ、レオンハルト様は私たちを守っています」
「俺は最後に倒される存在なんだ」
「なら、その運命ごと私たちが変えます」
世界を救うため、死ぬことを望む悪役。
私を救った英雄として、彼を生かそうとする仲間たち。
これは――
自ら滅びを望む最凶の悪役と、彼を救おうとする者たちが紡ぐ、運命逆転のダークファンタジー。