あらすじ
<あらすじ>
墨守家は、代々墨絵を生業とする名家。
しかしその裏では、人を呪う「呪い絵」を請け負う一族でもあった。
墨守家には数十年に一度、墨のような黒い痣を手首に持つ「痣持ち」が生まれる。
痣持ちは、描いた絵の通りに人を呪えるという天与の力を持つ。
現代の痣持ちは、十歳の少年・スミ。
痣持ちは一族に利用され続け、呪い返しによって若くして命を落とす宿命を背負う。
家族も本人も、その運命を当然のものとして受け入れていた。
何も知らずスミの世話役として雇われたのは、家族を失い天涯孤独となった美しい若者・ミズキ。
家族ですらスミと食事も寝床も共にしない異様な暮らしに違和感を覚えながらも、
亡き弟を重ねるように寄り添い、二人は少しずつ心を通わせていく。
やがてミズキは、墨守家の真実とスミに課せられた宿命を知る。
一族のためだけに命を削られ、「人を呪うためだけに生きる」ことを当然と思い込むスミを見て、
彼をこの運命から救いたいと願うようになる。
そしてミズキは疑問を抱く。
本当にスミの力は、人を呪うためだけにあるのだろうか。
スミを使い続けようとする墨守家。
運命を受け入れたまま生きるスミ。
その運命を変えようとするミズキ。
これは、生まれた時から人生を決められた少年が、初めて自分の生き方を選ぶまでの物語。