あらすじ
異世界に転生した――そう思って目覚めた少年・桐生湊を待っていたのは、女神でもチートでもなく、魔剣鍛冶師ゲラルトの一言だった。
「お前、二年前からここにいたぞ。ドブで泥と鉄屑を食って、ずっと狂ってた」
血で淡い線を描き、空の力を呼び寄せる魔法の世界。 だが湊の血は何も呼ばない。魔法の才能は完全にゼロ。
その代わり、彼の腹の中には、狂っていた二年間に飲み込んだ鉄屑、魔獣の骨、そして古代の核が肉と神経に絡みついていた。 さらに頭の中には、角の生えたカピバラが現れる。
死の予兆と泥臭い知恵だけを頼りに、湊は魔剣鍛冶師ゲラルトたちと辺境を生き抜いていく。
そして、父の形見であるキーホルダーに書いてあったクジラが、この世界の古代遺跡に刻まれていると知った時、湊の旅は王家の神話と世界の真実へ繋がり始める。