あらすじ
記憶を奪う「呪いのキス」を抱えた高校生・君野吉郎。
平穏な日常を送ろうとする彼の前に現れたのは、フランス人画家の血を引く同級生・白黒きいろだった。
きいろは幼い頃、君野と共に山小屋で起きた出来事を知る数少ない人物。しかし君野だけは、その日の記憶を失っていた。
一方、美術部員の少女・茜は、駅前にあるからくり時計を調べるうち、一人の天才画家ルネ・デュヴァルの存在に辿り着く。
彼が生涯描き続けた一枚の絵。
そのモデルは、なぜか君野だった。
過去と現在が交錯する中、きいろは君野への執着を隠さず迫り続ける。
忘れられた山小屋の真実。
画家ルネが遺した想い。
そして、誰も知らない「呪いのキス」の意味。
やがて君野は、自分を巡るすべての真実へと近づいていく。
しかし、その結末でもまた、君野だけは大切な記憶を失い、自分が誰かの人生を変えたことを知らないまま歩き続ける。
忘れる者と、忘れられない者。
切ない宿命が交差する、青春ミステリー。