あらすじ
迷宮都市アルカディア。
そこには、追い詰められた者の手が届く場所に、時折《小さな銀鈴》が見つかる。
ギルドにも管理できない、不思議な鈴。
誰が置いたのかも、いつからあるのかも分からない。
けれど、その鈴が鳴った夜、依頼屋リオス・ヴァレンは動き出す。
第二話は、下層街の小さな薬屋と、人に触れることを恐れる少女の物語です。
エルナ・フィルは、人に触れると強い感情が流れ込んでしまう少女。
怒り、嘘、欲、恐れ、悪意。
そして時には、心配や安堵や優しさまでも。
自分の手を呪いだと思い、手袋をして生きてきた彼女は、ある夜、自分から闇市場へ向かいます。
「自分が売られれば、大切な人の店を守れる」
そう思い込んだ少女を止めるため、銀鈴の依頼屋リオスと、元王国騎士カレンが旧商業倉庫へ向かう。
触れることは、怖い。
けれど手は、人を傷つけるためだけにあるわけではない。
誰かを支えるために。
帰る場所を確かめるために。
怖いままでも、一歩だけ進むために。
銀鈴が鳴る夜。
ひとつの小さな手が、自分の帰り道を選ぶ。
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