あらすじ
言葉によって、火に意味を与え、風に道を示し、水や大地さえ動かす者――『語り部』。
惑星アースコアでは、物語や詩として紡がれた言葉が、人の心だけでなく、現実の現象にまで影響を及ぼしていた。
けれど、言葉は奇跡だけを生むものではない。
語り方を誤れば、救いは災厄へと変わり、世界そのものを歪めることさえある。
カナリア・シンフォニアは、そんな強大な力を持ちながら、ほとんど言葉を発しない小さな少女だった。
声を失ったわけではない。
彼女は自らの意思で、沈黙を選んでいる。
誰かを救うたび、胸の奥に消えない記憶を抱えながら。
誰にも知られることのない痛みを、一人で背負いながら。
やがてカナリアは、異なる世界から来た青年や、それぞれの信念を持つ仲間達と出会い、語りによって生まれる奇跡と歪みに立ち向かっていく。
語ることは、世界を変えること。
語らないこともまた、ひとつの選択。
これは、誰よりも言葉の重さを知る少女が、沈黙の中で自分の物語を見つけていく旅の物語。