あらすじ
色を失えば感情も消える世界で、天才染色師は傲慢の果てに地獄を見る
【あらすじ】
「俺の調合で、世界のあらゆる絶望を鮮やかに塗り替えてみせる」
魔法の代償として「色」を失うことが「人格や感情」の喪失に直結する世界。
生まれつき左目が無色の少年ルカは、物質や人間の生命の限界値(あと何回魔法を使えば灰になるか)が見える能力を武器に、天才調合師として傲慢に笑っていた。
年の離れた最高の兄貴分シン、ルカのブレーキ役であり共犯者となる剣士セリアと共に、奪われた日常を取り戻す旅に出るルカ。しかし、訪れた帝国中央で、世界を維持するために少数を搾取する「完璧な正義」の真実を知る。
「目の前の命を救うためにシステムを継承する」と敵側に寝返るシン。
焦燥に駆られたルカは、自身の才能を過信し、禁忌の調合で近くの子供から感情を強奪してしまう。一瞬の狂いが生んだ地獄――子供は自分の名前すら忘れた虚ろな廃人と化し、ルカは自責の念から精神が完全崩壊、色を失認し調合不能に陥る。
大罪人となった少年は、泥をすすり、魔法を完全に諦めた不自由な現実の中で、それでも人間として歩き直す覚悟を決める。
これは、すべてを失った天才が、世界を殺して「本当の朝」を紡ぐまでの、罪と再生の物語。